アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎
吉祥寺でアトピー性皮膚炎の「かゆみ」「湿疹」「赤み」にお悩みの方へ。
当院は、皮膚科専門医による標準治療をベースに、従来の治療では改善しない難治性の症状に対し「生物学的製剤(注射治療)」や「光線療法(エキシマライト)」を提供するクリニックです。
アトピー性皮膚炎はあきらめるしかない病気ではありません。「コントロールを目指せる」病気です。
当院では、国際的な評価指標(POEM、ADCT、EASI)を用いて病勢を数値化し、感覚に頼らない「見える化された治療」を行います。悪化時は薬でしっかり抑え(寛解導入)、落ち着いたらぶり返さない肌を育てる(寛解維持)「プロアクティブ療法」で、患者様一人ひとりのゴールを目指します。
アトピー性皮膚炎は、増悪と寛解(良くなったり悪くなったり)を繰り返す、かゆみを伴う湿疹を主病変とする疾患です。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、その発症には「皮膚バリア機能の異常」「アレルギー炎症(免疫の異常)」「かゆみの異常」という3つの要素が深く関わっているとされています。
アトピー性皮膚炎の方の皮膚では、角層の水分を保つ「セラミド」や「フィラグリン」という成分が減少しています。
これにより皮膚が乾燥して隙間ができ(ドライスキン)、外部からの刺激(ダニ、ホコリ、汗、細菌など)が容易に侵入しやすい状態になっています。
バリアの隙間から侵入した異物に対して、体の免疫システムが過剰に反応します。
特に「Th2細胞」という免疫細胞が活発になり、IL-4(インターロイキン4)やIL-13といった物質(サイトカイン)を放出して炎症を引き起こします。この炎症が、さらなるバリア機能の低下を招きます。
炎症に伴い、IL-31などのかゆみを誘発する物質も放出されます。
さらに、掻くこと(スクラッチ)自体が皮膚を傷つけ、バリアを破壊し、さらなる炎症と痒みを引き起こす「イッチ・スクラッチ・サイクル(かゆみと瘙爬の悪循環)」に陥ります。
この悪循環を断ち切るために、当院ではバリア機能を補う保湿(スキンケア)と、炎症とかゆみの元(サイトカイン)を抑える薬物療法を同時に行います。
「なんとなく良くなった」「まだ少し痒い」といった曖昧な感覚だけでなく、医学的な指標を用いて現在の状態を客観的に評価します。
TARC検査
2型炎症を反映する血液検査です。見た目の症状だけでなく、皮膚内部の炎症状態を把握し、今後の治療方針を検討するための参考(判断材料)とします。
特異的IgE抗体検査(View39など)
ダニ、ハウスダスト、花粉、食物など、悪化因子となっているアレルゲンを特定します。
金属パッチテスト
難治性の場合、歯科金属やアクセサリーなどが原因となっている可能性があるため、必要に応じて検査を行います。
医師が皮膚の状態(紅斑、浮腫/丘疹、瘙痒痕、苔癬化)を4つの部位(頭頸部、体幹、上肢、下肢)ごとに診察し、0〜72点でスコア化します。
ご自身の状態を把握するために、以下のチェックリストを活用してください。当院ではこれらのスコアをカルテに記録し、治療方針の決定に役立てます。
POEM(Patient-Oriented Eczema Measure)は、過去1週間の症状頻度を患者様ご自身が評価する指標です。
「見た目は綺麗になったけれど、実は夜中にかゆくて眠れない」といった、医師には見えにくい生活の質(QOL)の低下を拾い上げます。
以下の7つの質問について、過去1週間の日数に当てはまる点数を足してください。
| 日数 | 点数 |
|---|---|
| なし(0日) | 0点 |
| 1〜2日 | 1点 |
| 3〜4日 | 2点 |
| 5〜6日 | 3点 |
| 毎日 | 4点 |
「今の治療で本当にコントロールできているか?」を確認する6つの質問です。長期管理の指標として推奨されています。
この1週間の状態について、最も当てはまるものを選び、点数を足してください。
判定:合計7点以上の場合、またはどれか1つでも「ひどい・毎日・とても」以上の回答(表の青色部分に相当)がある場合、「良好にコントロールされていない」可能性が高いです。治療法の見直し(ステップアップ)を検討すべきタイミングです。
アトピー性皮膚炎治療の基本は、炎症を抑える「薬物療法」と、バリア機能を補う「スキンケア」です。
ステロイド外用薬
最も基本となる抗炎症薬。強さ(ランク)を適切に選びます。
タクロリムス(プロトピック)
顔や首など、ステロイドの副作用が出やすい部位に有効です。
デルゴシチニブ(コレクチム)
JAK阻害作用を持つ非ステロイド軟膏。刺激感が少なく小児にも使用可能です。
ジファミラスト(モイゼルト)
PDE4阻害作用を持つ非ステロイド軟膏。
タピナロフ(ブイタマー)
1日1回の塗布で済む、新しい非ステロイド薬(AhR調整薬)。炎症を抑えるだけでなく、皮膚のバリア機能を高める働きも期待されています。

「薬を塗っているのに治らない」という方の多くは、塗る量が少なすぎる(薄く伸ばしすぎている)傾向にあります。
当院では、1FTU(フィンガーチップユニット)という世界標準の単位で指導しています。
チューブ(軟膏・クリーム):大人の人差し指の先から第一関節までの長さ。
ローション:1円玉大の大きさ。
1FTUで「大人の手のひら2枚分」の面積を塗ります。ティッシュが肌に貼り付いて落ちないくらいの「ベタつき(しっとり感)」が必要です。
※【重要】5gチューブ(小さいチューブ)の場合、プロトピック、コレクチム、モイゼルトや、5g入りのステロイド軟膏などの「小さいチューブ」は、出口の穴が小さくなっています。そのため、人差し指の第一関節まで出しても半分の量(約0.25g)しかありません。これらの薬で「手のひら2枚分」を塗る場合は、「2回分(2本分)」絞り出す必要があります。(※混合薬や大きなチューブの場合は、通常通り1回分で大丈夫です。)

従来の「悪くなったら塗る、良くなったらやめる」治療(リアクティブ療法)では、皮膚の下に残っている微細な炎症が再燃し、すぐにぶり返してしまいます。
当院では、症状が落ち着いた後も定期的に(週2回など)薬を塗り続け、良い状態を長く維持する「プロアクティブ療法」を推奨しています。
目に見えないレベルの微小な炎症を定期的な外用をすることでおさめ、「悪化の波」の回数を減らし、いい状態を長く維持することを目指します。
正しい外用療法やプロアクティブ療法を行っても、ADCTスコアが改善しない、かゆみでQOLが著しく低下している難治性の患者様には、専門的な治療選択肢(全身療法・光線療法)へのステップアップをご提案します。
アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみの根本原因となる物質(サイトカイン)をピンポイントでブロックする、画期的な治療法です。
当院では、患者様のライフスタイルや症状に合わせて、以下の薬剤から最適なものをご提案します。
IL-4とIL-13の働きを阻害。生後6ヶ月から使用可能で、最も使用実績が豊富な薬剤です。
IL-13を高親和性で結合・阻害。13歳以上が対象。維持期には4週間に1回の投与間隔が可能です。
IL-13を特異的に結合・阻害。15歳以上が対象。結膜炎のリスクが比較的少ないとされています。
ミチーガ(ネモリズマブ)
かゆみを誘発するIL-31を阻害。「かゆみ」が主体の症状に特化しています。
※これらの薬剤は、一定の重症度基準(EASIスコア等)を満たす方が対象です。高額療養費制度の利用なども含め、診察時に丁寧にご説明します。
紫外線のうち、治療効果が高く害の少ない波長(308nm)を患部に照射する治療です。
当院導入のターゲット型治療器「エキシマライト」は、正常な皮膚への照射を避け、かゆみの強い「しこり(痒疹結節)」や、塗り薬が効きにくい部分に強力にアプローチできます。
小児のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーとの関連を心配される親御様も多いですが、現在のガイドラインでは「皮膚の状態を良くすること(スキンケアと外用)」が食物アレルギーの予防にも繋がると考えられています。
当院では、お子様が怖がらないような診察を心がけ、保護者の方には「洗い方」「薬の塗り方」「日常生活の注意点」を具体的に指導します。ご家族の負担を減らし、お子様の健やかな肌を守るサポートを行います。
自己判断で漫然と塗り続けることは避けるべきですが、医師の管理下で「必要な量を、必要な期間」使う分には全身への副作用のリスクは極めて低いとされています。当院では、症状が改善したら非ステロイド薬への切り替えや、プロアクティブ療法(間隔を空けて塗る)へ移行し、ステロイドの総使用量を減らす工夫をしています。
診察前にWeb問診や待合室でチェックシートをご記入いただくか、ご自身で計算したスコアをお伝えください。合計が7点以上の場合は、現在の治療が十分でない可能性があるため、治療計画の見直しをご相談します。
原則として、標準的な外用治療を一定期間行っても十分な効果が得られない場合(中等症〜重症)に適応となります。初診時にこれまでの治療歴をお伺いし、重症度評価(EASI等)を行った上で、導入の可否を判断します。
はい。妊娠中・授乳中でも使用できる内服薬のほか外用薬を中心に治療を組み立てます症状が悪化しやすい時期ですので、我慢せずにご相談ください。
アトピー性皮膚炎の治療ゴールは、単に湿疹を治すことだけではありません。
「夜ぐっすり眠れる」「人目を気にせず好きな服を着られる」「勉強や仕事に集中できる」——そうした自分らしい生活を取り戻すこと(QOLの向上)が私たちの目標です。
吉祥寺駅前皮膚科クリニックでは、皮膚の見た目だけでなく、POEMやADCTといったデータを用いて患者様の「辛さ」に寄り添います。
「もう治らない」と諦める前に、ぜひ一度、当院の専門外来へご相談ください。
院長・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医監修
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